岡本さんへの手紙―話していないこと。

ライフスタイルも大事です。

あなたは最初短大へ行ってそこから、この大学に
入りなおしたので、同じ学年ながらあなたの方が一歳
年上でしたね。
あのころはまだバブルの中でした(終わりに近かったですが)。
大人になったら、クルマを買う。
クルマを所有して乗ることは大人である象徴でした。
いまでも、そうかもね。

僕らが学生の頃に、アコードワゴンが登場しました。
セダンより付加価値のあるワゴン。
ワゴンって地味なイメージもありましたが。
あのころのアコードワゴンはアメリカ製。知り人ぞ知る愉(たの)しみ。

当時、新聞や雑誌で読んだけど、
ディンクス(ダブル・インカム・ノーキッズ=共働きで収入はあるが子供なし)と
いう言葉があった。
それから、若者たちの間ではアメリカ風の大型冷蔵庫を持ち、
週末に一週間分の食材等を買い込みにショッピングに出掛けるという、
ライフスタイルが広がるかもしれないという記事。そのために
荷物が多く積めるワゴン車等に需要が増えるだろうと。

僕も、君とそんなライフスタイルを想像していました。
結局そんな「夢」を話すことはなかったけれど。

あれから十数年が経ちました。
今はワゴンよりミニバンの時代ですね。
(僕もオデッセイ、ストリーム等が好きです)
子供もいる、親も健在で、一緒に出掛けることもできる
それがやっぱり幸せだと気付いたのですね。

追伸
時代に惑わされす、幸せに辿り着きたいね。
(でも、あのころの君も僕も時代も、好きです)