1年経つ。

3月1日は、父の誕生日なので覚えている。

去年は土曜日で、仕事が休みなので父と母との3人で
双海町(ふたみちょう 愛媛県伊予市)に、菜の花が一面に咲いている所に
それを見に出かけたことを覚えている。

菜の花の黄色い花が咲き誇って、見頃でした。
母に、「写真撮るでー」と言って、ケータイを向けたら、
ニカッと、笑顔を見せたのを覚えている。

のちに、この時の写真が遺影になりました。
帽子を被っているし、笑顔過ぎるので、遺影向きではないと
当時は考えましたが、今では、1番良い表情だったと気に入っています。

菜の花畑から、ほど近い料理屋さんで、
釜飯を食べました。お店お勧めの、鯛釜飯セットを。
結構、美味しかったかも。

後から来て隣のテーブルに座った家族が注文した、
「天麩羅盛り合わせ」を自分も気になったけど、母も
あれも美味いかもしれんって、言っていて、

次に来た時に食べたらええわい、という会話を
したことも、覚えている。

翌月、4月29日に母は亡くなり、実現することはなかったです。
死因は、すい臓がんでした。
9月には、父も、他界しました。
死因は、脳出血が原因での、延命の失敗でした(肺への食べ物の誤飲)。

今年、3月1日。
日曜で、仕事も休みなので、同じ場所へ、1人で行ってきました。

今年も、菜の花は、咲き誇って見頃でした。
母のいない、菜の花だけの斜面の菜の花畑をケータイで写真に収めました。

去年と同じ店で、鯛釜飯セットを注文しました。
釜飯は、炊き上がるまでに、20分ほどかかる事が多いのですが、
注文して、お手洗いに行って、席に戻ったら、
もう釜飯セットが届いていました。

待ち時間に読もうと、鞄に入れていた中谷彰宏さんの本も
出番がありませんでした。
(ちなみに、その時に持っていた本のタイトルは「叱られる勇気」
 気になるタイトルでしょ?)

春夏秋冬、季節は繰り返して1年経ちました。
これからも繰り返す同じ季節の中でも、少しずつ変化しています。
同じ花でも、去年の菜の花と、今年の菜の花は違う命かもしれないように。

人間も、自然の一部にすぎないのでしょう。
深く感傷に浸るでもなく、涙を流すわけでもなく。
淡々(たんたん)と。

その後、
松山市まで行って、自転車屋さんを3件ほど見てまわって
帰宅しました。

数少なくなった物欲で、自転車と刺身包丁は欲しいと考えていましたので。

1年前は、父も母も居たんだなぁ。